Calling 第40話 Happy Merry Christmas -1-
「……あ、そ、そだっ、私も先輩にプレゼントがあるんですっ」
チョーカーを着けた後、あまりに似合っていて可愛すぎる鈴に見惚れていると、
今度は鈴が俺にプレゼントがあると言った。
「クリスマスプレゼントです」
「わぁ、ありがとう」
(……て、デカッ)
鈴からのプレゼントは思ったより大きいものだった。
会った時からなんか大きなショッピングバッグを持っているなと思っていたけれど、
まさかそれが俺へのプレゼントだとは思わなかった。
鈴から貰ったどこかの雑貨屋らしきピンクのショッピングバッグの中には
赤と白のストライプのリボンでラッピングされた物とは別に、もう一つ紙袋が入っていた。
それは俺もよく知っている有名なスポーツ用品店の物だ。
(え? 二つ?)
スポーツ用品店の紙袋の中はいつもと違ってクリスマスプレゼント用に
ラッピングされた物が入っていた。
◆ ◆ ◆
「こ、これって……っ」
プレゼントの中身はサッカーチームのユニフォームだった。
「先輩が好きな選手の人ってその背番号でよかったですか?」
「う、うん。まさにこれだけど、よく手に入ったなぁー?」
「それがですねー、昨日、私がお店に行った時にたまたま
入荷したばっかりだったですよー」
「マジで?」
「はい、それで確か先輩が好きだって言ってた選手がいるチームじゃないかなぁー
と思って。でも、選手の名前もよく覚えてなくて店員さんに聞いたら
これじゃないかな? って教えてくれたんです」
「す、すごい幸運……」
「なんか店員さんも運が良かったねって言ってたんですけど……、
これってそんなに手に入らないものなんですか?」
「うん、このユニフォーム、今、ショップでもなかなか手に入らないし、
ネットオークションでも高額で取引されてるんだよ」
「えー、そうなんですかー? 全然知らなかった」
鈴はこのユニフォームがどんなに入手困難な物かまったくわかっていなかったみたいだ。
「すごいよ、鈴、ありがとうっ!」
「えへへ、喜んで貰えてよかったです♪」
鈴は嬉しそうに笑うと、
「後、こっちはおまけです」
もう一つの赤と白のリボンの方指差した。
(おまけ?)
リボンを解き、ギフトバッグの中を覗くとモコモコした物が見えた。
「お?」
(ぬいぐるみ?)
そのモコモコした“何か”を出してみるとそれはサッカーシューズのぬいぐるみスリッパだった。
「あはは、スパイクだー。ちゃんとマイキのマークも入ってるー」
うけた。
思わず笑ってしまった。
「勉強する時とか、コレ履いてたら暖かくていいかなー? と思って」
確かに『頭寒足熱』って言うもんな。
足元が冷えないように暖房をつけてたら頭がボーッとしてくるし、
かと言って我慢してたら寒すぎて勉強が捗らない。
「うん、コレいいかも」
俺が風邪をひかない様に考えてくれたのかな?
しかもスパイクをチョイスするあたりが鈴らしい。
「ありがと、鈴」
そして店内だという事も忘れ、俺は思わず鈴にキスをした――。