Calling 第23話 監禁事件? -2-

 

 

物品倉庫は職員室から離れた一階の一番端にあった。

鍵を開けて中に入ると窓も閉めっ放しでしかも厚いカーテンが引かれているから

ちょっと埃っぽくて真っ暗だった。

 

(えーと、電気、電気……)

灯りを点けようとドアの傍にあるはずのスイッチを探す。

しかし、それらしき物がない。

まさかと思い、ドアの外側、つまり廊下の方に目をやるとスイッチがあった。

 

(これかな?)

スイッチを入れると倉庫の中が明るくなった。

 

(なんで外側にスイッチが……)

灯りを点けて再び中に入ると一番手前にはコピー用紙やプリント用紙が箱ごと床に積まれていた。

その奥にはファイリング用品、封筒、便箋なんかも箱積みされている。

そしてさらに奥に行くと床から天井まである鉄製の収納棚が人一人やっと通れる位の間隔でずらりと並んでいた。

入口付近に大きな物が置いてあるのは奥にあると運び出すのが難しいからだろう。

 

倉庫の中は教室二部屋分程で、結構奥まで収納棚が続いていて思ったより広かった。

 

(チョークはどこだろ?)

チョークが置いてある場所を捜しながら奥へと足を進めていると、廊下からジャラジャラと

たくさんの鍵が擦れ合う様な金属音と足音が聞こえてきた。

 

(……?)

 

金属音と足音が物品倉庫の前でピタリと止まり、不思議に思っていると……

 

パチン――、

 

電気を消された。

 

(へ?)

 

「……ったく、誰だよ、電気消し忘れたの」

電気を消した人物はそう言うとドアに鍵を掛けた。

 

ガチャン――、

 

(え? え? えぇーっ?)

「……」

真っ暗になった倉庫の中。

 

私は閉じ込められてしまった。

 

(あ、でもっ)

教室と同じ造りなら中からも鍵が開けられるはずだ。

私はカバンの中から携帯を出してその灯りで足元を照らしながら入口まで戻った。

そして鍵を開けようとして愕然とした。

 

(ない……)

ドアの内側には何も付いていなかった。

鍵を開けるサムターンやバー、もちろん鍵穴も付いていない。

 

(嘘……っ)

それでもドアに手を掛けてみたけれど、やっぱり開くはずもなく……。

 

こうなれば窓から出るしかない。

 

私は窓に近づき、カーテンを開けた。

 

すると……

 

なんと、窓には頑丈そうな面格子が付けられていた。

 

(嘘でしょーっ!?)

完全に閉じ込められてしまった……。

 

「すいませーん、誰か開けてくれませんかー?」

ドアをドンドンと叩いて助けを呼んでみるけれど、こんな端の倉庫に来る人なんてそういない。

 

(ど、どうしよう……?)

 

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